シングルマザーで実家に頼れない人ができる7つのこと

実家に頼れない。そう感じているシングルマザーは、実はあなただけではありません。厚生労働省の調査では、親と同居するシングルマザーは約27.7%で、約7割は実家以外で暮らしています。

実家に頼れないのは特別なことでも、恥ずかしいことでもありません。そして、頼れる手段は実家だけではないのです。この記事では、実家の代わりに使える7つの具体的な方法を整理します。

目次

「実家に頼れない」には様々な事情がある:あなたの状況を確認する

実家に頼れない理由は一つではありません。状況によって最適な対策が変わります。まず「自分はどのパターンか」を確認することで、後の解決策が選びやすくなります。どの理由であっても、頼れないことを恥ずかしいと思う必要はありません。

理由①:実家が遠方にある

結婚・転勤・進学などで地元を離れ、実家が遠くにある方が最も多いパターンです。「緊急時に2〜3時間かかる距離では事実上頼れない」というのは正直な現実です。
このパターンの方に最も重要なのは、「地元密着の代替手段を先に整えておくこと」です。実家がないからこそ、地域のサービスや制度を積極的に使う準備が大切になります。

理由②:親との関係が良好でない

物理的な距離ではなく、「関係性の問題」で頼れないパターンです。過干渉・子育てへの口出し・DV環境・精神的な支配など、様々な事情があります。
あなたが頼らないと判断しているのは正しい場合があります。無理に頼ることが自分や子どもにとってプラスにならないなら、頼らないという選択は賢明です。DVが関係している場合は、配偶者暴力相談支援センターへの相談も選択肢の一つです。

理由③:親が高齢・病気・介護が必要な状態

実家はあるけれど、親自身が精一杯の状態で孫の面倒を頼める状況にないパターンです。「頼むことで逆に親に負担をかけてしまう」という罪悪感を抱えている方も多いです。
頼れない理由が相手側にある場合は、特に自分を責めないでください。あなたの判断は正しいです。

理由④:親が他界している

最初から「実家」というセーフティネットが存在しないパターンです。孤立感が最も深くなりやすい状況ですが、「実家なし=詰んでいる」わけではありません。
公的な支援ネットワークが「家族の代わり」として機能する事例はたくさんあります。後のセクションで具体的にお伝えします。

「実家の代わり」になる公的サービス4選

実家が担っていた「急なお迎え」「一時的な預かり」「夜間保育」「相談」という機能は、公的サービスで代替できます。場面ごとに使えるサービスを整理します。

できること①:ファミリーサポートセンターへの登録(急なお迎えに対応)

ファミリーサポートセンターは、「子育てを手伝ってほしい人」と「手伝いたい人」をマッチングする自治体運営の仕組みです。子どもの急な発熱時のお迎え・保育園送迎・一時的な預かりに対応できます。

項目内容
費用の目安1時間あたり600〜800円程度(自治体によって異なる)
対応できること急病時のお迎え・保育園送迎・一時的な預かり(宿泊対応の施設も約10%ある)
設置数全国約900か所
登録方法お住まいの市区町村のファミリーサポートセンターに問い合わせ

平時に登録して、援助会員さんと顔見知りになっておくことが緊急時の安心につながります。「使う予定がなくても、まず登録だけしておく」という感覚で動くのがおすすめです。
参考:こども家庭庁|ファミリー・サポート・センター

できること②:子育て短期支援事業(ショートステイ・トワイライトステイ)の活用

自治体が実施する「子育て短期支援事業」には2種類あります。仕事・疾病・疲労などの理由で一時的に子どもを預けられる公的な仕組みです。

種類内容使える場面
ショートステイ乳児院・児童養護施設等に数日間(原則7日以内)宿泊で預かる入院・出張・体調不良・精神的に限界な時
トワイライトステイ夜間(主に18〜22時)に施設へ通所する形で預かる帰宅が遅い日・残業が続く時

費用は所得に応じて0〜数百円程度の自治体もあります。ただし自治体によって差があります。まず「子育て支援課」に問い合わせるだけでいいです。「使いたい」ではなく「どんな制度がありますか」という形で聞くのが一番ハードルが低いです。

できること③:一時保育・緊急保育への事前登録(急な預け先を先に確保する)

認可保育園・認定こども園・認可外保育施設が実施する一時保育は、突発的な用事・育児疲れ・就活・急病等に使えます。実家の代わりとして特に活用したい制度です。

通常の保育園とは別に、一時保育専用の枠を持つ施設もあります。事前に登録しておけば当日の申し込みが可能な施設が多いため、「まだ使う予定はないけど登録だけしておく」という行動が重要です。シングルマザーだからこそ、一時保育を積極的に使っていいです。

できること④:子育て支援センターで「相談できる場所」を先に作る

全国7,000か所以上にある地域子育て支援拠点(子育て支援センター)では、子育ての相談・親子の居場所・一時預かりの紹介まで無料で利用できます。

孤立しがちなシングルマザーにとって、「困った時に相談できる場所を先に知っておく」ことが最も大切です。顔見知りのスタッフができると、緊急時に相談しやすくなります。何かが起きてから探すのではなく、平時に一度訪れておくだけで大きく違います。
参考:こども家庭庁|地域子育て支援拠点事業について

「実家の代わり」になる民間サービス2選

公的サービスだけでなく、民間の有料サービスを組み合わせることで「実家のような安心感」に近づけることができます。費用は気になりますが、知っておくだけで選択肢が広がります。

できること⑤:ベビーシッターを定期活用する(自宅対応・夜間も可)

ベビーシッターサービスは自宅で預かるため、子どもが慣れた環境で安心できます。夜間対応も可能な事業者があり、実家が果たしていた「緊急時の自宅での見守り」に近い機能を担えます。

項目内容
費用の目安1時間2,500〜3,000円+交通費(事業者により異なる)
費用を抑える方法企業主導型保育のベビーシッター利用支援(内閣府)、自治体の補助制度を確認
安全性の確認方法公益社団法人全国保育サービス協会(ACSA)の認定シッターを選ぶ
活用のポイント定期的に同じシッターに来てもらうと子どもも慣れて安心感が生まれる

参考:公益社団法人全国保育サービス協会

できること⑥:病児保育に事前登録しておく(子どもの急病時の最重要準備)

実家に頼れない場合に最も困るのが「子どもの急病時」です。病児保育には施設型と訪問型があります。

種類内容特徴
施設型病児保育病児保育専用の施設で預かる事前登録が必要・定員が少ない場合がある
訪問型病児保育シッターが自宅に来て病気の子どもを看る(フローレンス等)施設に連れて行く必要がない・登録しておけば当日手配可能

病児保育は「いざという時に探す」のでは間に合いません。「今は使う予定がなくても、登録だけ先にしておく」ことが最重要の準備です。また、家事代行(シルバー人材センター等)を活用して、体調不良時に実家がやってくれていた家事機能を補う発想も有効です。

シルバー人材センターは自治体が運営する高齢者雇用事業です。家事援助サービスを比較的安価に利用できる場合があります。お住まいの市区町村に問い合わせてみてください。

「地域のつながり」を実家の代わりにする

制度・サービスだけでなく、「人間関係のネットワーク」が実家の機能を補います。実家がない分、地域・職場・ママ友など複数の人に少しずつ頼る「分散型の支援ネットワーク」を作るという発想の転換が大切です。

できること⑦:ママ友・近隣・同じシングルマザーと「緩くつながる」関係を作る

一人の人に頼りすぎると関係が壊れるリスクがあります。複数に薄く広く頼ることで持続可能になります。保育園・小学校の縁を通じた保護者同士のつながり、同じシングルマザーとの連絡先交換など、深く仲良くする必要はありません。

「何かあった時に声をかけあえる関係が一つあるだけで大きく違う」という感覚で動いてください。ギブ&テイクの関係が長続きするネットワークの秘訣です。「子どもの急なお迎えをお願いする代わりに、相手の子どもを預かることができる」という互いの関係が理想です。

体験談:私が実家に頼らないと決めた理由と、代わりに作った3つのつながり

私の実家は、住んでいた場所から電車で1時間の距離にありますが、当時小学2年生だった子どもの強い要望により転校をさせないことを優先し、結婚前と同じエリアに住み続けることを選びました。その時点で「実家には日常的には頼らない前提」で動くことを決めました。

ただ、最低限の確認だけはしました。「どうしても手が回らなくなった時だけ応援してもらえるか」とだけ実家に聞き、OKをもらいました。日常的に頼むつもりはなかったけれど、「いざとなれば最後の砦がある」という安心感だけは担保しておきたかったのです。

地域のつながりも意識的に作りました。近所に住むママ友と連絡先を交換し「何かあったらお互いお願いするかもね」という緩い約束をしました。また、離婚後最初に住んだアパートで同じシングルマザーの方と出会い、連絡先を交換しました。

完璧に準備したわけではありません。「頼らない前提で動きながら、最低限のセーフティネットだけ確保した」というのが正直なところです。いきなり深い関係を作る必要はなく、連絡先を交換しておくだけでいい。そう思ったら少し気が楽になりました。

緊急時の対応マニュアル:実家なしで「万が一」に備える

実家に頼れない場合に最も不安なのは「緊急事態への対応」です。「何かあったとき誰に連絡するか」のリストを事前に整えておくことが、不安を大幅に下げます。

仕事中に保育園・学校から呼び出しが来た時の対応フローを準備する

最も頻繁に発生する緊急事態が「仕事中の呼び出し」です。事前にフローを決めておくと、焦らず動けます。

ステップ行動
①職場へ連絡「子どもの急病のため早退が必要です」と上司に連絡。事前に「こういう場合がある」と職場と確認しておく
②代替預け先に連絡ファミサポ・登録済みのベビーシッター・病児保育に連絡。登録が済んでいることが前提
③施設と確認迎えに行くまでの間、保育園・学校側と連絡を取り、子どもの状態を確認

ファミサポを平時に登録しておく理由は、まさにこのフローのためです。準備があると呼び出しへの恐怖が大幅に下がります。

「緊急連絡先リスト」を今すぐ作る:困った時に迷わない準備

自分が倒れた・事故にあった・急な入院など、最悪のケースへの備えとして、緊急連絡先リストを作っておくことをおすすめします。

緊急連絡先リストに入れておくべき項目
□ ファミリーサポートセンターの連絡先・担当者名
□ 登録済みの一時保育・病児保育施設の連絡先
□ 信頼できるママ友・近隣の知人の連絡先
□ 子どもの学校・保育園の緊急連絡先と担任名
□ 自治体の子育て支援課・子育て支援センターの電話番号
□ かかりつけ医の電話番号

このリストを作っておくだけで、不安が大幅に軽減されます。スマホのメモに入れておき、子どもにも「このリストがある」ということを教えておくと、より安心です。

自分が倒れたとき・入院したとき:子どもの一時的な受け入れ先を知っておく

シングルマザーが病気・入院等で子どもの世話ができなくなった場合、子育て短期支援事業のショートステイを緊急利用できます。また、児童相談所への相談(一時保護ではなく、支援を求める形での相談)という選択肢もあります。

「施設を使う」「相談する」ことは恥ずかしいことでも弱いことでもありません。制度を使うのが正しい判断です。一時保護という言葉に怖いイメージを持つ方もいますが、「子どもを取られる」のではなく「一時的なサポートを受ける」という意味で、積極的に相談していいものです。

実家に頼れないと「もらえる支援が増える」:制度面のメリットも知っておく

実家に頼れない状況はデメリットばかりではありません。「制度上のメリット」が生まれる場合があります。「実家なし=不利」という固定観念を崩す視点としてお伝えします。

実家に同居していると親の収入が合算され、児童扶養手当・ひとり親医療費助成・住宅手当などが受給対象外になりやすいです。独立して暮らしているシングルマザーは、これらの制度をフルに活用できる立場にあります。

制度実家同居だと独立して暮らしていると
児童扶養手当親の収入によって支給額が減額・停止される場合がある自分の収入のみで判定。フル受給できる可能性が高い
ひとり親医療費助成同居者の収入が影響し対象外になる場合がある自分の収入のみで判定
住宅手当(自治体独自)持家の親と同居では対象外になる場合が多い賃貸で独立している場合に対象になる自治体が多い

また、実家に頼れない場合の経済的な緊急時には、母子父子寡婦福祉資金の「生活資金」(低利または無利子で借りられる)を活用できます。急な出費や収入が途絶えた場合の一時的な生活費として使えます。申請先はお住まいの自治体の福祉窓口です。

まとめ:実家がなくても、頼れる「仕組み」は作れる

「実家がない=詰んでいる」ではありません。制度を使うこと・サービスを使うこと・地域のつながりを育てること、この3つを組み合わせることで、実家がなくても子育ては続けていけます。

手段具体的なアクション
ファミリーサポートセンター今すぐ市区町村の窓口に登録の問い合わせをする
ショートステイ・トワイライトステイ「子育て支援課にどんな制度があるか聞く」だけでOK
一時保育近くの施設を調べて事前登録しておく
病児保育施設型・訪問型を調べて登録だけ先にしておく
地域のつながり連絡先を一人交換するだけでいい
緊急連絡先リスト今日スマホに作成する

全部一気にやろうとしなくていいです。「今日、一つだけ動く」という姿勢で始めてください。

※本記事の情報は2026年時点のものです。制度・金額・支援内容は改定される場合があります。最新情報は各公的機関の公式サイトまたはお住まいの市区町村窓口でご確認ください。

参考・出典

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