「子どもに習い事をさせてあげたいけれど、費用が心配」——そういった悩みを持つひとり親の方に知ってほしい制度があります。全国の一部自治体では、ひとり親家庭の子どもの習い事費用をクーポンや補助金で助成する事業が広がっています。
この記事では、制度の仕組み・対象者・支給額・申請方法・自分の自治体での調べ方を整理します。申請しなければ受け取れない制度です。まず自分の自治体に制度があるかどうかを確認してください。
ひとり親の習い事支援とは?制度の概要

ひとり親の習い事支援とは、自治体がクーポンや補助金を交付して、子どもの習い事費用を助成する事業です。
習い事にかかる費用をクーポン・補助金で助成する制度
経済的な理由でひとり親家庭の子どもが習い事や学習塾・スポーツ教室などを諦めることがないよう、自治体が費用を助成する事業が全国で広がっています。
この制度は子どもの自己肯定感・学習機会の確保を目的としており、国が推進する「こどもの貧困対策」の一環として位置づけられています。ただし実施は自治体単位のため、住んでいる地域によって制度の有無・内容が大きく異なります。
2026年2月時点で全国30以上の自治体が何らかの習い事支援制度を実施していると確認されています(民間調査)。ただし全国共通の制度ではないため、まず自分の自治体に制度があるかを確認することが第一歩です。
すべての自治体に制度があるわけではない
習い事支援クーポン事業は一部の自治体が独自に実施しているもので、実施していない自治体も多くあります。
「制度があるかどうかわからない」という場合は、後のセクションで紹介する「自分の自治体での調べ方」を参考にしてください。制度がない自治体でも、就学援助など使える別の支援制度がある場合があります。
すべての自治体に制度があるわけではありません。まず自分の自治体に制度があるかを確認してください。
ひとり親の習い事支援を受けられる対象者の条件

自治体によって条件は異なりますが、多くの制度で共通する対象要件があります。自分が対象かどうかを確認してください。
児童扶養手当受給世帯・生活保護世帯が主な対象
多くの自治体で「生活保護世帯または児童扶養手当受給世帯」が対象要件の基本になっています。
自治体によっては、住民税非課税世帯・ひとり親医療費助成の対象世帯も含まれるケースがあります(福岡市が代表例)。「児童扶養手当をもらっていないから対象外かも」と思っている方でも、一度窓口に確認することをおすすめします。
「児童扶養手当」と「児童手当」は別の制度です。ひとり親向けの「児童扶養手当」を受給しているかどうかが対象の基準になります。
対象となる子どもの年齢・学年
子どもの対象年齢・学年は自治体によって異なります。主な例を確認してください。
| 自治体 | 対象学年・年齢 | 備考 |
|---|---|---|
| 福岡市 | 小学5年生〜中学3年生 | 生活保護世帯・児童扶養手当受給世帯等 |
| 浜松市 | 小学1年生〜小学6年生(2026年4月から拡充) | 2025年度までは小学4〜6年生が対象 |
| 千葉市 | 小学5年生〜中学3年生 | 詳細は市の窓口に確認 |
| その他自治体 | 未就学児〜中学生まで幅がある | 自治体によって大きく異なる |
子どもの年齢が対象かどうかは自治体ごとに異なります。「うちの子は対象外では?」と思わず、まず窓口に問い合わせてみてください。
ひとり親の習い事支援で使える習い事・使えない習い事

クーポン・補助金を使って何の習い事ができるかは、制度を使う前に必ず確認してください。
塾・スポーツ・文化教室・音楽など幅広く使える
多くの自治体の習い事支援では、幅広いジャンルの習い事が対象になっています。
| カテゴリ | 対象となる習い事の例 |
|---|---|
| 学習系 | 学習塾・家庭教師・英会話・プログラミング・そろばん |
| スポーツ系 | 水泳・体操・野球・サッカー・テニス・武道・ダンス |
| 文化・芸術系 | 音楽(ピアノ等)・美術・書写・パソコン |
| その他 | フリースクール(浜松市は2026年4月から対象に追加) |
フリースクールが対象になる自治体も増えています(2026年4月〜浜松市が追加)。子どもの状況に応じて活用できる場面が広がっています。
対象とならない費用・習い事
以下の費用は多くの自治体で対象外になっています。申し込み前に確認してください。
| 対象外になりやすい費用・習い事 | 注意点 |
|---|---|
| 入会金・入学金 | 自治体によって対象外のケースが多い(浜松市は対象外) |
| 学校の部活動 | 学校活動のため対象外 |
| 宗教活動・布教目的の教室 | 対象外 |
| 通塾・送迎の交通費 | 習い事費用のみが対象 |
「この習い事は使えるか」という確認は、申し込み前に必ず教室または自治体窓口に確認してください。クーポンを取得してから「使えなかった」という事態を避けるために、事前確認が重要です。
ひとり親の習い事支援はいくらもらえる?主要自治体の支給額

制度を実施している主要自治体の支給額を横断的に整理します。詳細・最新情報は各自治体の公式ページまたは窓口で確認してください。
| 自治体 | 対象学年 | 支給額(年額) | 支給方法 | 対象条件の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 福岡市 | 小5〜中3 | 年額12万円 | 電子クーポン(年度4月1日交付) | 生活保護・児童扶養手当受給世帯等 |
| 浜松市 | 小1〜小6(2026年4月〜) | 年額12万円(月1万円相当) | 電子クーポン | 生活保護・児童扶養手当受給世帯等 |
| 千葉市 | 小5〜中3 | 月額1万円×月数 | クーポン型 | 生活保護・児童扶養手当受給世帯等 |
| 大阪市 | 詳細は市の公式ページで確認 | 年度ごとに変更の可能性あり | デジタルクーポン(2026年度〜) | 市に確認 |
| 福井県(坂井市・鯖江市等) | 詳細は市の公式ページで確認 | 年6〜12万円(区分によって異なる) | 補助金型 | 児童扶養手当の区分による |
※上記の情報は2026年9月時点で確認できた内容をもとにしています。年度ごとに内容が変わる場合があるため、必ず各自治体の公式ページまたは窓口で最新情報を確認してください。
支給方法は「電子クーポン型(登録事業者のみで使用)」「償還払い型(後払い申請)」「直接助成型」などに分かれています。使い方の手順は自治体によって異なるため、申請時に確認してください。
ひとり親の習い事支援の申請方法と申請時期

申請しなければ受け取れない制度です。申請方法・必要書類・時期を確認してください。
申請先は市区町村の子育て・福祉担当窓口
申請先は市区町村の子育て支援課・家庭児童相談室・福祉担当窓口、または事業の専用サイト(福岡市はオンライン申請)です。
申請に一般的に必要な書類の例は以下の通りです。自治体によって異なるため、事前に窓口に確認してください。
| 必要書類の例 | 備考 |
|---|---|
| 申請書(所定の様式) | 窓口または専用サイトから入手 |
| 児童扶養手当証書の写し | 生活保護の場合は受給証明書 |
| 本人確認書類・世帯全員の住民票 | マイナンバーカードで代替できる場合あり |
| 通帳(償還払い型の場合) | クーポン型では不要な場合が多い |
年度初め(4〜6月)に申請するのが原則・遅れると月割りになる
多くの自治体で、年度当初(4月1日)からクーポンが有効になります。年度初めに申請することが最大活用のポイントです。
年度途中から申請した場合は「申請月から年度末までの月数分のみ支給」というケースが多いです。たとえば10月に申請すると、10月〜3月の6か月分(6万円相当)のみになります。毎年度申請が必要な自治体もあるため、継続利用には毎年4〜5月の手続きを忘れないようにしてください。
年度初めに申請を忘れると、その分のクーポンが受け取れなくなります。4〜6月に必ず申請してください。
自分の自治体にひとり親の習い事支援があるか調べる方法

「住んでいる自治体に制度があるかどうかわからない」という方のために、最速の調べ方を整理します。
「〇〇市 ひとり親 習い事 クーポン」で検索するのが最速
自分の自治体に制度があるかどうかを調べる方法は2つあります。
| 方法 | 手順 | 特徴 |
|---|---|---|
| ①Google検索 | 「〇〇市(区・町)ひとり親 習い事 クーポン」または「〇〇市 習い事 補助金 ひとり親」で検索する | すぐに確認できる。ただし新しい事業は検索に出てこない場合がある |
| ②窓口への電話 | 市区町村の子育て支援課・福祉担当窓口に「ひとり親向けの習い事支援制度はありますか」と電話する | 最も確実。担当者が制度の有無・申請方法を案内してくれる |
「ネットで調べても出てこなかった」という場合でも、窓口への一本の電話で確認できます。新しく始まった事業や規模の小さい自治体の制度は検索に出てこないことが多いため、窓口への問い合わせが最も確実です。
制度がない自治体でも使える就学援助との組み合わせ
習い事支援クーポン事業がない自治体でも、就学援助は全国の市区町村で実施されています。
就学援助は習い事の代替にはなりませんが、給食費・学用品費・クラブ活動費など学校に関連する費用を補える制度です。毎年度の申請が必要で、4〜5月に学校または教育委員会から案内が届きます。申請漏れのないよう確認してください。


ひとり親が習い事支援を使う際の注意点

クーポンを取得してから「使えなかった」というトラブルを防ぐために、事前に確認しておくべきことがあります。
希望する教室が「登録事業者」かどうかを先に確認する
自治体のクーポン制度は、事前に登録している事業者(教室)のみで使えます。希望する教室が登録されているかどうかを申込前に確認することが重要です。
子どもが「あの教室に通いたい」と言っている場合、まずその教室がクーポン事業に登録されているかを確認してください。登録されていない場合でも、自治体によっては教室側に登録を依頼できる場合があります。希望する教室に「〇〇市のひとり親習い事支援のクーポンは使えますか」と問い合わせてみてください。
まず希望する教室が登録事業者かどうかを確認する→登録されていない場合は教室に登録を依頼できるか確認する、という手順が重要です。
まとめ:まず自分の自治体に制度があるかどうかを調べるところから
ひとり親の習い事支援制度は、自治体によって内容が大きく異なります。「制度がある自治体」に住んでいる方は、年間最大12万円相当のクーポンを子どもの習い事に使える可能性があります。
まず「〇〇市 ひとり親 習い事」で検索するか、市区町村の福祉窓口に電話するだけで確認できます。申請しなければ受け取れない制度です。今日動くことが、子どもの選択肢を広げることにつながります。
※この情報は2026年9月現在のものです。制度の有無・支給額・対象要件は自治体によって異なり、年度ごとに変更される場合があります。最新の情報は各自治体の公式ページまたは窓口でご確認ください。
参考・出典
- 福岡市「子ども習い事応援事業」https://www.city.fukuoka.lg.jp/kodomo-mirai/mimamori/child/naraigoto1_3.html
- 浜松市「こども習い事応援事業」https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kosodate/20240710naraigoto.html
- こども家庭庁「ひとり親家庭等関係」https://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya
