「高校生等奨学給付金は住民税非課税世帯だけが対象」——そう思っていた方に、重要なお知らせがあります。2026年度から対象が年収約490万円まで大幅に拡充されました。これまで対象外と思っていた母子家庭も、今年は確認する価値があります。
この記事では、2026年度の拡充内容・母子家庭の年収別の支給額・申請方法・他の制度との組み合わせ方を整理します。申請しなければ一円も受け取れない制度です。まず自分が対象かどうかを確認してください。
高校生等奨学給付金とは:授業料以外の教育費を補う返済不要の給付金

高校生等奨学給付金は、授業料以外の教育費(教科書代・教材費・修学旅行費・通学費等)を補う、返済不要の給付金です。2026年度から対象が大幅に拡充されました。
授業料は就学支援金・授業料以外は奨学給付金
高校の教育費支援は2つの制度に分かれています。混乱しやすいため、まず整理してください。
| 制度名 | 対象 | 2026年度の変更 |
|---|---|---|
| 高等学校等就学支援金 | 授業料 | 2026年4月から所得制限が完全撤廃・全世帯が対象 |
| 高校生等奨学給付金(本記事) | 授業料以外の教育費 | 2026年度から年収約490万円まで対象拡大 |
授業料は就学支援金でカバーされるようになりましたが、制服代・教科書代・修学旅行費などの「授業料以外の費用」は別にかかります。それを補うのが高校生等奨学給付金です。
参考:文部科学省|高校生等奨学給付金
2026年度から対象が年収約490万円まで拡大
2026年度の最大の変更点は、対象世帯の大幅拡充です。従来は住民税非課税世帯(年収約270万円未満)のみが対象でしたが、2026年度から年収約490万円の世帯まで対象になりました。
この拡充は2025年10月の自民党・公明党・日本維新の会による三党合意に基づくもので、国の補助割合も1/2に引き上げられています。「以前調べたときは対象外だった」という母子家庭も、2026年度は必ず改めて確認してください。
2026年度から年収約490万円まで対象拡大。以前対象外だった母子家庭も今年は確認を。
母子家庭の高校生等奨学給付金の対象条件

2026年度から新設された区分を含め、自分が対象になるかを確認してください。判定は年収ではなく「住民税所得割額」で行われます。
2026年度の3区分:年収目安と対象条件
2026年度の対象区分は以下の通りです。年収は目安であり、世帯構成によって基準は変わります。
| 区分 | 年収目安 | 住民税所得割額の目安 | 支給内容 |
|---|---|---|---|
| 生活保護受給世帯 | — | — | 最高額を支給(後述) |
| 住民税非課税世帯(従来通り) | 約270万円未満 | 非課税(所得割額0円) | 全額を支給 |
| 新区分①(2026年度新設) | 約270〜380万円 | 100円〜105,500円未満 | 全額支援額の1/3を支給 |
| 新区分②(2026年度新設) | 約380〜490万円 | 105,500円〜182,500円未満 | 全額支援額の1/4を支給 |
年収はあくまで目安であり、正式な判定は住民税所得割額で行われます。扶養親族の人数・控除の種類によって所得割額は変わるため、年収が490万円以上でも対象になる場合があります。
参考:文部科学省|高校生等奨学給付金
ひとり親控除の申告で住民税が下がり対象になりやすい
母子家庭が「ひとり親控除」を申告することで住民税所得割額が下がり、奨学給付金の対象になりやすくなります。これは母子家庭特有の重要な視点です。
ひとり親控除(住民税30万円の所得控除)を申告すると、住民税所得割額が一般世帯より低くなります。年収が同じ水準でも、ひとり親控除を申告している母子家庭は二親家庭より低い所得割額になることが多いです。
「年収が上限に近い」と思っている方でも、ひとり親控除の申告状況によっては対象区分に入る可能性があります。控除の申告漏れがないか必ず確認してください。

判定基準日は毎年7月1日
高校生等奨学給付金の対象判定は、毎年7月1日時点の課税状況で行われます。4月の入学時点ではありません。
転職・離婚などで年度途中に家計の状況が変わった場合は「家計急変」として申請できるケースがあります。「4月時点では対象ではなかったが、その後状況が変わった」という場合も、在学校または都道府県に相談してみてください。
母子家庭の奨学給付金はいくらもらえるか

2026年度の支給額を区分・学校種別ごとに整理します。自分の区分と在学している高校(国公立・私立)の列を確認してください。
| 区分 | 国公立高校(年額) | 私立高校(年額) |
|---|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 143,700円 | 152,000円 |
| 住民税非課税世帯 | 50,500円 | 52,100円 |
| 新区分①(年収270〜380万円) | 約16,800円(全額の1/3) | 約17,400円(全額の1/3) |
| 新区分②(年収380〜490万円) | 約12,600円(全額の1/4) | 約13,000円(全額の1/4) |
※新区分の支給額は全額支援額の1/3・1/4を目安に記載しています。実際の金額は都道府県によって一部異なる場合があります。
住民税非課税世帯:国公立年額約5万円・私立年額約5万2,000円
住民税非課税世帯への支給額は、国公立高校で年額50,500円・私立高校で年額52,100円です。
生活保護受給世帯には別途高額の支給額(国公立143,700円・私立152,000円)が設定されています。これは生活保護の高等学校等就学費との調整の上で設定された金額です。
【2026年新設】新規拡充世帯:年収約270〜490万円なら1/3または1/4が支給
2026年度から新たに対象となった世帯(年収270〜490万円)には、全額支援額の1/3または1/4が支給されます。
「非課税世帯より少ない」と感じるかもしれませんが、申請しないより確実に助かる金額です。年収400万円前後の母子家庭であれば、国公立高校で年間約12,000〜17,000円が返済不要でもらえます。申請に必要な労力に対して十分な価値があります。
高校生等奨学給付金の申請方法と時期

申請方法・時期・必要書類を確認してください。都道府県・学校によって詳細が異なるため、まず在学校に問い合わせることが最初のステップです。
申請先:都道府県または学校経由
申請先は都道府県の教育委員会(直接申請)または学校経由(学校が窓口)のどちらかです。都道府県によって方式が異なります。
「どこに申請すればいいかわからない」という場合は、まず在学校に「高校生等奨学給付金の申請方法を教えてください」と問い合わせてください。学校が申請窓口の場合はそのまま案内してもらえますし、直接申請の場合も都道府県の担当窓口を教えてもらえます。
新入生は4〜6月の早期申請で入学費用に充てられる
新入生は4〜6月に一部早期支給の申請ができる都道府県があります。通常の支給(12月前後)より早く受け取れるため、制服・教科書代などの入学時の出費に充てられます。
早期申請の有無・申請時期は都道府県によって異なります。入学が決まったらすぐに在学校に「早期支給の申請ができますか」と確認してください。タイミングを逃すと通常支給(12月前後)まで待つことになります。
早期申請の受付期間は都道府県によって異なります。入学後すぐに在学校に確認してください。

主な必要書類
申請に一般的に必要な書類は以下の通りです。都道府県・学校によって異なるため、事前に確認してから準備してください。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 申請書(所定の様式) | 学校または都道府県教育委員会から入手 |
| 住民税の課税証明書または非課税証明書 | 前年の所得に基づく課税証明書(市区町村の窓口で取得) |
| 世帯全員の住民票(写し) | マイナンバーカードがあれば省略できる場合がある |
| 生活保護受給証明書(生活保護世帯のみ) | 市区町村の福祉担当窓口で発行 |
2026年度から対象が拡大されたため、新区分①②の申請では課税証明書の提出が必要になるケースがあります。在学校に確認の上、早めに準備してください。
奨学給付金と組み合わせて高校の教育費を減らす方法

高校生等奨学給付金は単独の制度ではなく、他の支援制度と組み合わせることでより多くの教育費を補えます。
高等学校等就学支援金との組み合わせ
2026年度は「就学支援金(授業料)」と「奨学給付金(授業料以外)」の両方が大幅に拡充されました。
就学支援金は2026年4月から所得制限が完全撤廃され、すべての世帯の高校生の授業料がカバーされます。奨学給付金は年収約490万円まで対象が拡大されました。2制度を合わせることで、授業料と授業料以外の両方が支援されます。これは「2026年度のダブル拡充」と言える状況です。
就学援助・自治体独自の補助との組み合わせ
奨学給付金に加え、都道府県・市区町村独自の高校生向け補助金・奨学金制度も組み合わせられます。
まとまった費用が必要な場合は、「母子父子寡婦福祉資金貸付金」の修学資金・就学支度資金(低利または無利子の貸付)も高校在学中・入学時の費用として活用できます。申請窓口は都道府県・市区町村の福祉担当窓口です。
「自分の都道府県・市区町村に独自の高校生支援はあるか」を教育委員会または市区町村の子育て支援窓口に確認してみてください。
まとめ:2026年度は対象が広がった・今年こそ申請を確認する
高校生等奨学給付金は2026年度から年収約490万円まで対象が大幅拡充されました。従来は住民税非課税世帯のみでしたが、新区分①(年収約270〜380万円)・新区分②(年収約380〜490万円)が新設されています。
母子家庭はひとり親控除の申告によって住民税所得割額が下がるため、見た目の年収よりも対象になりやすいという特性があります。「以前は対象外だった」という母子家庭も、今年は改めて確認してください。
申請しなければ一円も受け取れない制度です。今すぐ在学校に「高校生等奨学給付金の申請方法を教えてください」と問い合わせることが最初の一歩です。
※この情報は2026年8月現在のものです。制度・金額・法律の内容は改定される場合があります。支給額・対象条件は都道府県によって一部異なります。最新の情報は在学校または都道府県教育委員会でご確認ください。
参考・出典
- 文部科学省「高校生等奨学給付金」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1344089.htm
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm
- こども家庭庁「ひとり親家庭等関係」https://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya
