「シングルマザーは保育園に優先的に入れる」という話を聞いたことがある方も多いと思います。基本的には正しいのですが、「絶対に入れる」ではありません。都市部の人気園では高い指数を持つシングルマザーでも落ちるケースがあるのが現実です。
この記事では、シングルマザーが保育園を確保するために必要な「指数の仕組み・保活の進め方・保育料・入れなかった場合の対処法」を時系列・状況別に整理して解説します。
シングルマザーは保育園に優先的に入れるか:点数の仕組みを理解する

シングルマザーは一般的に指数(点数)が高くなりやすく、優先されやすいです。ただし仕組みを正確に理解した上で、油断しない保活戦略が必要です。
認可保育園の入園選考は「指数(点数)」で決まる
認可保育園の入園は申し込み順では決まりません。自治体が定める「指数(点数)」の高い順に優先されます。指数は主に「基本指数」と「調整指数」の2つで構成されます。
| 指数の種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 基本指数 | 就労時間・就労形態・就労証明などをもとに算出 | フルタイム勤務・月160時間以上で最高点になる自治体が多い |
| 調整指数 | ひとり親・きょうだい在園・祖父母同居の有無などで加減算 | ひとり親に加点・祖父母同居で減点する自治体が多い |
指数の計算方法は自治体によって異なります。住んでいる自治体の「保育園入園案内(入園のしおり)」を必ず確認してください。
シングルマザーに付く加点:ひとり親加点の実態
多くの自治体でひとり親世帯には「ひとり親加点(調整指数)」が付きます。フルタイム勤務のシングルマザーは基本指数が最高水準になりやすく、そこにひとり親加点が加わるため、最も指数が高い状態になりやすいです。
同点の場合の優先順位でも、ひとり親が有利な自治体が多いです。ただし都市部の人気園では、高い指数のシングルマザーでも落ちるケースがあります。加点があるからといって油断せず、保活戦略をしっかり立てることが重要です。
就労形態別の指数の目安
就労状況によって指数が大きく変わります。自分の状況がどのくらいの指数になるかを事前に把握しておきましょう。
| 就労形態 | 指数の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| フルタイム(週40時間以上) | 最高水準になりやすい | 就労証明書の取得が必須 |
| 時短勤務・パート | フルタイムより低くなる(時間数による) | 就労時間が多いほど指数が上がる |
| 求職中(無職) | 大幅に下がる | ひとり親加点があっても低め |
| 在宅ワーク・フリーランス | 証明書類の提出が必要な自治体が多い | 収入証明・契約書等を用意する |
| 自営業 | 事業実態の証明が必要 | 開業届・確定申告書等が必要なケースが多い |
指数を上げるために、就労証明書は早めに取得してください。求職中の場合は、ハローワークへの求職登録で「求職活動証明書」を取得できます。
実家同居・祖父母同居の場合は注意
実家に同居している・実家に子どもを預けている状況は、指数を下げる自治体が多いです。「シングルマザー=優先」という前提が実家同居では崩れるケースがあります。
祖父母が同居または近隣に住んでいて子どもを見られる状況は「保育の必要性が低い」と判断され、調整指数で減点対象になる自治体があります。入園申し込み前に必ず自治体の窓口で自分の指数を確認してください。「実家に同居しているが、祖父母は就労しており保育が難しい」という状況なら、その旨を窓口で正直に相談してみましょう。
保活のスケジュール:いつから・何をするか

4月入園を目指す場合、保活は遅くとも夏前から動き始めることが必要です。申し込み締め切りを1日でも過ぎると4月入園ができなくなります。
4月入園を目指す場合の保活タイムライン
| 時期 | やること |
|---|---|
| 6〜8月 | 保育施設の種類を調べる・候補園をリストアップ・見学予約を入れ始める |
| 9〜10月 | 入園案内(入園のしおり)を役所でもらう・自分の指数を計算・見学を実施する |
| 10〜11月 | 申し込み書類の準備・提出(締め切り日は自治体により異なる。必ず確認する) |
| 12〜1月 | 選考結果の通知・内定後の手続き(内定辞退は早めに・次の選択肢も並行検討) |
| 2〜3月 | 慣らし保育の準備・職場への連絡・病児保育・ファミサポへの事前登録 |
申し込み締め切りは自治体によって異なります。10月末〜11月初旬が多いですが、必ず役所の保育担当窓口で確認してください。締め切り後の申し込みは受け付けてもらえません。
見学のポイント:シングルマザーが確認すべき5つのこと
保育園の見学はシングルマザーにとって重要な情報収集の場です。以下の5点を必ず確認してください。
✅ 見学で確認すべき5つのポイント
□ ① 延長保育の時間(何時まで預けられるか。料金も確認)
□ ② 子どもの急な発熱時の連絡方法・お迎えの目安時間(「1時間以内に来てください」か「30分以内か」で大きく違う)
□ ③ 土曜日・祝日保育の有無(仕事がある場合は必須確認)
□ ④ 在宅ワーク・シフト勤務への柔軟な対応があるか
□ ⑤ ひとり親家庭へのスタッフの理解度(雰囲気・過去の受け入れ実績を聞いてみる)
見学時に正直にシングルマザーであることを伝えて相談すると、配慮してもらいやすい園かどうかがわかります。スタッフの反応を見ることも重要な判断材料です。
申し込みの戦略:第1希望に固執しすぎない
人気園だけに希望を集中すると全滅するリスクがあります。倍率が低い園(駅から遠い・小規模・新設)も含めて複数の希望を出す戦略が現実的です。
第3希望でも入園できれば4月から働き始めることができます。「第1希望以外は選ばない」という姿勢が最もリスクの高い選択です。希望順位の書き方は「本当に行きたい園を1位に・入れれば行ける園を後半に」という構成が基本です。「絶対に行かない園は書かない」というシンプルな原則を守れば問題ありません。
【要注意】求職中・無職でも保育園に入れる?

「仕事がないと保育園に入れない、でも子どもを預けないと仕事ができない」というジレンマを感じている方は多いです。求職中でも入れる可能性はありますが、戦略が必要です。
求職中の指数は低い:でも入れない訳ではない
求職中(就労していない状態)は指数が大幅に下がります。ただし、ひとり親加点があるため、フルタイム勤務のふたり親家庭より指数が低くても入れるケースがあります。
自治体によっては求職中でも認可保育園に入れる場合があります。ただし入園後3か月以内に就労証明書を提出する義務があるケースが多く、入園後に就職活動を加速させる必要があります。まず役所の保育担当窓口に「求職中でシングルマザーだが入れるか」と直接相談することが最初の一手です。
求職中に指数を上げる方法
求職中でも指数を少しでも上げるための実践的な方法があります。
| 方法 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| ハローワークに求職登録する | 「求職活動証明書」を取得できる。求職活動中の証明として加点になる自治体もある | 自治体によって効果が異なる |
| 入園前に内定・就労開始する | 就労証明書を提出して指数をアップできる | 最も確実な方法 |
| 認可外保育園・一時保育を先に利用する | 調整指数の加点になる自治体がある | 費用がかかるが指数改善の可能性あり |
保育料:シングルマザーはいくらかかるか

シングルマザーの保育料は収入水準によって大きく異なります。3歳以上は原則無償、0〜2歳は収入次第という仕組みです。
3歳以上は原則無償:0〜2歳は収入次第
2019年10月から始まった「幼児教育・保育の無償化」により、3〜5歳の認可保育園の保育料は原則無償です。所得制限はありません。
0〜2歳は住民税非課税世帯のみ無償です。シングルマザーが住民税非課税になるかどうかは収入と控除の状況によります。ひとり親控除(所得税35万円・住民税30万円)を申告することで住民税非課税になりやすくなります。
参考:こども家庭庁|幼児教育・保育の無償化
収入別の保育料の目安
認可保育園の保育料は「住民税額」に基づいて決まります(応能負担制度)。以下はシングルマザーの代表的な収入帯での目安です。ただし自治体によって異なるため、必ず窓口で確認してください。
| 年収の目安(シングルマザー・子1人) | 0〜2歳の保育料の目安 | 3歳以上 |
|---|---|---|
| 約150万円以下(住民税非課税の可能性) | 無償または低額 | 無償 |
| 約150〜200万円 | 月1〜2万円程度 | 無償 |
| 約200〜250万円 | 月2〜3万円程度 | 無償 |
| 約250〜300万円 | 月3〜4万円程度 | 無償 |
ひとり親家庭は保育料の減免措置がある自治体も多いです。役所の窓口で「自分の保育料を事前にシミュレーションしてほしい」と相談できます。
認可外保育園の保育料と補助
認可外保育園の保育料は都市部で月5〜10万円程度が目安で、認可保育園より高くなります。ただし無償化の補助が一部使えます。
| 対象 | 補助上限(月額) |
|---|---|
| 3〜5歳児(保育の必要性の認定が必要) | 月3.7万円まで無償化補助 |
| 0〜2歳・住民税非課税世帯(保育の必要性の認定が必要) | 月4.2万円まで無償化補助 |
認可外に通いながら認可保育園の入園を待つ場合、上記の補助を使っても実費負担が発生します。月の費用差を把握した上で計画を立てましょう。
保育園に入れなかった場合の対処法

4月入園に落ちた・待機児童になった場合でも、あきらめる必要はありません。複数の対処法があります。
4月入園に落ちたら:2次募集・途中入園を狙う
4月入園の結果が出た後、入園を辞退した家庭が出るため「2次募集・追加募集」が行われるケースがあります。また年度途中(5〜3月)でも「途中入園枠」が発生するため積極的に動いてください。
✅ 4月入園に落ちたらすぐにやること
□ 役所の保育担当窓口に「待機児童リストへの登録」を申請する(空きが出た時に連絡が来る自治体が多い)
□ 複数の保育園に直接「途中入園の空きが出たら連絡してほしい」と問い合わせる
□ 役所に毎月空き状況を確認する電話を入れる
□ 2次募集の時期・方法を役所に確認しておく
認可外保育園・小規模保育所・認定こども園も視野に入れる
認可保育園以外にも複数の選択肢があります。
| 施設の種類 | 対象年齢 | 特徴 |
|---|---|---|
| 認可外保育園 | 0歳〜 | 認可保育園より入りやすい。保育料は高め |
| 小規模保育所 | 0〜2歳 | 認可保育園より入りやすい。3歳で卒園になるため次の保育園確保が必要 |
| 企業主導型保育所 | 0歳〜 | 企業が設置。地域枠があれば一般の子どもも利用可能 |
| 認定こども園 | 0歳〜 | 認可保育園と同等の扱いで指数が適用される |
小規模保育所は3歳で卒園になります。卒園後の認可保育園確保を並行して進めることが必要です。在園中に加点がつく自治体もあるため、窓口で確認してください。
待機中の就労:ファミサポ・一時保育・ベビーシッターを組み合わせる
保育園が決まるまでの待機期間中でも、以下を組み合わせることで就労を続けることができます。
| サービス | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ファミリーサポートセンター | 1時間600〜800円程度 | 地域の助け合い。急なお迎えにも対応できる場合がある |
| 一時保育 | 保育園によって異なる | 保育園の空き時間を利用。事前登録が必要 |
| ベビーシッター | 1時間2,500〜3,000円+交通費 | 自宅対応・夜間可。費用は高めだが柔軟 |

保育園入園後:急な欠席・病児対応をどうするか

保育園に入れた後も、子どもの急な発熱への対応体制を事前に整えておくことが重要です。入ってから慌てないよう、入園前から準備を始めてください。
子どもが熱を出した時の対応体制を先に作る
保育園入園後に最も困るのが「子どもが37.5度以上の熱を出した時のお迎え要請」です。仕事を抜けてすぐに迎えに行ける体制を、入園前から整えておいてください。
✅ 入園前に準備しておく体制
□ 病児保育施設への事前登録(登録だけ先にしておく)
□ ファミリーサポートセンターへの登録(急なお迎えを依頼できる援助会員を見つけておく)
□ 職場への事前説明(「子どもが熱を出した場合の対応フロー」を上司と確認しておく)
「保育園に入れた日から登録を始めるのでは間に合わない」のが現実です。入園前から動き始めてください。
病児保育を活用する
病児保育施設は、病気の子どもを預かってくれる施設です。登録しておけば当日の利用が可能な施設が多いため、まず登録だけ先にしておくことを強くおすすめします。
施設型(病児保育専用の施設)に加え、フローレンスのような訪問型病児保育サービスも選択肢にあります。訪問型は自宅に来てくれるため、病気の子どもを連れて施設まで行く必要がありません。「子どもが熱を出す前に必ず登録しておく」ことを忘れないでください。
まとめ:保活は早めに動くほど有利。今日から始めること
保活は情報戦です。早めに動くほど選択肢が広がります。今の自分の状況に合わせて、まず一つ動いてみてください。
| 今の状況 | 今日からできること |
|---|---|
| 就労中・保活を始めたい | 住んでいる自治体の入園案内を役所でもらう・候補園に見学予約を入れる |
| 求職中・保育園に入れるか不安 | 役所の保育担当窓口に「求職中でシングルマザーだが入れるか」と相談する |
| 4月入園に落ちた・待機中 | 役所に待機児童リストへの登録申請・複数の保育園に途中入園の問い合わせ |
| 保育園に入れた・急病対応が不安 | 病児保育施設・ファミサポへの登録を今すぐ始める |
※本記事の情報は2026年時点のものです。制度・保育料・支援内容は改定される場合があります。最新情報はお住まいの市区町村の保育担当窓口でご確認ください。
参考・出典
- こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/mushouka
- こども家庭庁「ファミリー・サポート・センター」https://www.cfa.go.jp/policies/kosodateshien/family-support
- こども家庭庁「ひとり親家庭等関係」https://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya
