離婚準備リスト【子連れ女性版】切り出す前・協議中・離婚後にやることを優先順位つきで整理

「離婚しようと決めたはいいけれど、何から手をつければいいかわからない」。そんな方のために、この記事では「切り出す前→協議中→離婚届提出→離婚後」という4つのフェーズごとに、やるべきことを優先順位つきで整理します。

順番を間違えると後で取り返しのつかない損をするものがあります。特に切り出す前の準備は最重要です。

目次

フェーズ1:切り出す前の準備リスト【最重要・取り返しのつかないものを先に】

離婚を切り出す前に必ずやっておくべき準備があります。切り出した後では、相手が証拠を隠す・財産を移動させる・態度を硬化させるリスクがあります。後悔しないために、切り出す前に動いてください。

証拠の収集(不倫・DV・モラハラがある場合)

慰謝料請求や親権交渉を有利に進めるには、証拠が不可欠です。切り出した後に相手が証拠を隠す可能性があるため、必ず切り出す前に収集してください。

状況収集すべき証拠収集方法
不倫(不貞行為)写真・メッセージのスクリーンショット・ラブホテルの領収書スマホでスクショ保存・探偵の調査報告書
DV(身体的暴力)診断書・傷の写真・警察への相談記録病院で診断書取得・スマホで撮影
モラハラ(精神的暴力)音声録音・暴言のメッセージ・日記スマホの録音アプリ・日時と内容を記録した日記

証拠がなければ慰謝料請求が難しくなります。「証拠がない」と思っていても、スマホの通話履歴・位置情報・クレジットカード明細が証拠になることがあります。まず法テラス(0570-078374)や弁護士に相談してみてください。

共有財産のリストアップ・コピー取得

財産分与の対象となる共有財産は、切り出す前にリストアップとコピー取得を済ませてください。切り出した後に相手が財産を隠したり、名義変更するリスクがあります。

切り出す前に確認・コピーすべき財産リスト
□ 預貯金通帳(残高・取引履歴のコピーまたはスクショ)
□ 不動産の登記簿・固定資産税の通知書
□ 生命保険・学資保険の証書(解約返戻金の確認)
□ 株式・投資信託の残高証明書
□ 退職金規程・退職金見込み額の確認
□ 婚姻期間中に購入したもの(車・家電など)のリスト

銀行窓口・ATMで残高照会をして記録しておく、スマホで通帳をスクショするなどの方法でコピーできます。

離婚後の収入・住まいのシミュレーション

離婚後の生活が経済的に成り立つかを、切り出す前にシミュレーションしておきましょう。「いざ離婚しようとしたら生活できなかった」という事態を防ぐためです。

確認項目具体的な内容
①収入の見込み現在の収入・転職・パート→正社員化の可能性を試算
②住まいの候補実家・賃貸・公営住宅(収入基準があるので事前確認)
③支援制度を加えた月収入児童扶養手当(最大月約4.8万円)+養育費+児童手当の合計

子どもの学校・保育園の確認

子どもを転校させたくない場合は、離婚後も現在のエリアに住む必要があります。住まいの候補を決める前に確認してください。
転校が必要な場合は、在学証明書の取得・転入学の手続きが必要になります。転校のタイミングは「学期の変わり目」が子どもの負担が少ないとされています。転校・転園のスケジュールを見越した上で、離婚のタイミングを決めると良いでしょう。

自分名義の預金・クレジットカードの確保

離婚協議が長引いた場合や、急に別居が必要になった場合に備え、自分名義の預金口座とクレジットカードを準備しておいてください。共同口座のみの場合、相手が凍結・解約するリスクがあります。
当面の生活費として、3か月分の現金・預金を自分名義の口座に確保しておくことを目安にしてください。離婚準備に気づかれないよう、少しずつ積み立てる方法が現実的です。

婚姻費用の請求準備

夫婦には「相互扶助義務」があり、収入差がある場合は別居後も婚姻費用(生活費)を請求できます。「別居した月から請求できる」ため、別居と同時に請求することが重要です。1か月請求が遅れると、その分を取り戻すことはできません。

裁判所が公開している「婚姻費用算定表」で相場を事前に確認できます。請求方法は、まず相手に直接申し入れ、応じない場合は家庭裁判所に「婚姻費用分担調停」を申し立てます。
参考:裁判所|平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

夫に気づかれずに準備を進めるための注意点

特にDV・モラハラがある場合、準備中に気づかれること自体が安全上のリスクになります。気づかれないための具体的な方法を整理します。

スマホ・PCの履歴管理:検索・メール・LINE履歴を残さない方法

離婚準備の検索履歴・弁護士へのメール・証拠写真が配偶者に見つかると、準備が台無しになります。以下の対策を徹底してください。

デジタル痕跡を残さない方法
□ 検索はシークレットモード(プライベートブラウジング)を使う
□ 証拠データはクラウドではなくSDカードや別端末に保管する
□ 弁護士とのやり取りは、相手に知られていない別のメールアドレスを使う
□ 証拠写真・録音データは保存後すぐに別の場所に移動する
□ LINEの検索履歴・トーク履歴は定期的に確認して削除する

書類・データの保管場所:職場のロッカー・実家・信頼できる友人宅を活用する

通帳コピー・証拠データ・弁護士との書類など、離婚準備で集めたものは自宅以外の安全な場所に保管してください。自宅に置いておくと、相手に見つかるリスクがあります。

保管先の候補は「実家・職場のロッカー・信頼できる友人宅」です。データはUSBメモリや外付けHDDに入れて自宅外に保管する方法が確実です。クラウドサービスは相手に共有アカウントがある場合は使用しないでください。

相談・手続きは平日昼間を活用する:職場の休憩時間・外出時に

弁護士相談・法テラスへの問い合わせ・役所での情報収集は、相手の目を避けて行うことが基本です。法テラスへの電話相談(0570-078374)は職場の休憩時間でもできます。弁護士事務所の初回無料相談は平日昼間に設定されているケースが多いです。
「外出する理由」を事前に用意しておくことも有効です。「友人に会う」「買い物」など、疑われにくい理由を準備しておきましょう。

フェーズ2:離婚協議中の準備リスト【離婚届を出す前に必ず合意すること】

離婚届を出す前に、以下の事項を合意・書面化しておく必要があります。「出してから決めよう」では取り決めの強制力が弱くなります。合意内容は必ず書面(公正証書が理想)にしてください。

【最優先】親権者の決定

子連れ離婚では親権者の決定が必須です。未記入の離婚届は受理されません。2026年4月施行の改正民法により、「単独親権か共同親権かを選択できるようになった」という最新の変更があります。

親権の種類内容注意点
単独親権従来通り、どちらか一方が親権を持つ合意できない場合は家庭裁判所の調停・審判で決定
共同親権離婚後も父母双方が親権を持つ(新設)DVや虐待のおそれがある場合は、裁判所が必ず単独親権を選択する

参考:法務省|民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について

【最優先】養育費の取り決めと公正証書化

養育費は「口頭・協議書のみでは未払いリスクが非常に高い」です。強制執行認諾文言付きの公正証書で取り決めることが必須です。公正証書がなければ、未払い時に相手の給与や財産を差し押さえることができません。

項目内容
費用公証役場で2〜3万円程度(養育費の総額によって変動)
作成場所全国の公証役場(予約制)
2026年法改正情報法定養育費(月2万円/人)の新設・先取特権の付与が実施
算定の目安家庭裁判所の「養育費算定表」を基準にする

財産分与の合意

婚姻中に築いた共有財産は原則50%ずつ分けます。専業主婦・パート主婦でも、家事・育児の貢献が認められて50%の財産分与が認められます。「働いていないから少なくなる」という誤解をしないでください。

2026年改正で、財産分与の請求期限が「離婚後2年」から「離婚後5年」に延長されました。ただし、焦って不利な条件で合意しないことが最重要です。相手に急かされても、弁護士や法テラスに相談してから合意してください。

慰謝料・面会交流・年金分割の取り決め

慰謝料(不倫・DVがある場合)・面会交流の頻度・方法・年金分割を離婚前に決めてください。特に年金分割の手続きは、離婚後2年以内に年金事務所へ申請が必要です。忘れると権利を失います。

年金分割の申請期限は「離婚後2年以内」です。期限を過ぎると取り返しがつきません。離婚届を出したらすぐに年金事務所(または街角の年金相談センター)に相談することを強くおすすめします。

離婚協議書の作成と公正証書化

合意した内容(養育費・財産分与・面会交流・慰謝料など)は、すべて公正証書にまとめることが理想です。「強制執行認諾文言」を入れることで、万が一の未払い時に相手の給与・財産を差し押さえることができます。
公証役場に予約を入れ、双方が出席して作成します。一方が出席できない場合は、代理人(弁護士)が対応することも可能です。費用は2〜3万円程度です。

子どもの戸籍・姓の手続き

重要な落とし穴があります。母親が旧姓に戻っても、子どもの戸籍は自動的に父親の戸籍に残ります。子どもを自分の戸籍に入れるには、別途手続きが必要です。

手続き内容期限・注意
子の氏の変更許可申立家庭裁判所に申し立て(収入印紙800円程度)期限なし・ただし早めが望ましい
入籍届家庭裁判所の許可後、市区町村に提出許可審判書謄本が必要
婚氏続称届旧姓に戻らない(結婚時の姓を使い続ける)選択離婚後3か月以内に提出が必要

フェーズ3:離婚後すぐにやること【期限あり・申請が遅れると損をするもの優先】

離婚届を出した後は、申請するだけで受け取れる支援制度があります。申請が遅れると毎月数万円の損をする制度もあります。優先順位をつけて、離婚直後に動いてください。

【翌日〜2週間以内】住所・氏名変更と子どもの手続き

転居を伴う場合、転出・転入届は14日以内の提出が義務です。これを起点に連動する手続きが多数あります。漏れがないよう確認してください。

転居・氏名変更に伴う手続きリスト
□ 転出届・転入届(転居の場合・14日以内)
□ マイナンバーカードの住所変更
□ 運転免許証の住所変更(警察署・運転免許センター)
□ 健康保険証の切り替え(国民健康保険 or 職場の保険)
□ 銀行口座・クレジットカードの住所・氏名変更
□ 子どもの健康保険証の切り替え
□ 子どもの転校・転園手続き(在学証明書の取得)

健康保険証の空白期間を作らないよう、離婚直後に対応することが重要です。特に子どもの保険証は最優先で切り替えてください。

【離婚直後】児童扶養手当の申請

申請した月の翌月から受給が開始されるため、離婚直後に申請することが最重要です。1か月申請が遅れると、最大で月約4.8万円(子1人・全部支給の場合)を損します。
児童扶養手当は「申請した月の翌月から」受給開始です。離婚届を出したその足で市区町村の子育て支援窓口へ行くことを強くおすすめします。

申請先は市区町村の子育て支援課・福祉課です。必要書類は戸籍謄本・住民票・所得証明書・通帳などです。窓口で「ひとり親になったので申請したい」と伝えるだけで案内してもらえます。

【離婚直後】ひとり親医療費助成・就学援助の申請

ひとり親医療費助成(医療費の自己負担が大幅軽減)と就学援助(給食費・学用品費等の補助)も、児童扶養手当の申請と同時に申請できます。一度に申請することが最も効率的です。
どちらも「申請しないともらえない」制度です。窓口で「使える制度をまとめて教えてほしい」と伝えると、担当者が一覧で案内してくれます。

【2年以内】年金分割の申請

年金分割(3号分割・合意分割)の申請期限は「離婚後2年以内」です。忘れると老後の受給額に直接影響します。期限を過ぎると取り返しがつきません。
年金事務所または街角の年金相談センターに相談するだけで、手続きの流れを教えてもらえます。まず「離婚したので年金分割の相談をしたい」と電話予約を入れてください。
参考:日本年金機構|離婚時の年金分割

【初回の年末調整・確定申告時】ひとり親控除の申告

離婚後から適用できる「ひとり親控除」(所得税35万円・住民税30万円の控除)を年末調整または確定申告で申告してください。申告するだけで毎年数万円の節税になります。申告しなければ、毎年損をし続けます。
住民税が非課税になると、各種支援制度(保育料・医療費助成・就学援助など)の受給条件が有利になる連動効果もあります。

DV・モラハラがある場合の特別準備リスト

DVやモラハラがある場合、安全確保が最優先です。通常のフロー(話し合い→協議→離婚届)を踏む必要はありません。まず安全を確保し、その後に手続きを進めてください。

安全確保が最優先:配偶者暴力相談支援センターへの相談

DVがある場合、相手と直接話し合う必要はありません。調停・審判・裁判という形で、相手と対面せずに離婚を進める方法があります。まず配偶者暴力相談支援センター(各都道府県に設置)に相談してください。

相談先電話番号対応内容
DV相談ナビ(内閣府)#8008(短縮ダイヤル)お住まいの地域の相談機関を案内
配偶者暴力相談支援センター各都道府県に設置シェルター・一時保護・保護命令の相談
警察相談専用電話#9110身の危険がある場合・緊急時は110番
法テラス(サポートダイヤル)0570-078374弁護士費用の立替・法的サポート

「DV保護命令」の申請も可能です。保護命令が出ると、相手が自宅に近づくことや連絡することが禁止されます。
参考:内閣府|配偶者暴力相談支援センター

別居時の持ち出しリスト

急ぎで別居が必要になった場合、一度出たら戻れない可能性があります。事前に準備できるものはバッグに入れておいてください。

✅ 別居時の持ち出し優先リスト
□ 【最優先】預金通帳・カード・印鑑・マイナンバーカード・健康保険証・パスポート
□ 【子ども関係】母子手帳・子どもの保険証・学校の書類(在学証明書など)
□ 【証拠】DV・モラハラの証拠(スマホのスクショ・音声データ)
□ 【生活】当面の現金(最低3〜5日分)・着替え・薬・子どものお気に入りのもの
□ 【書類】戸籍謄本・離婚に向けた準備書類

弁護士費用が払えない場合は法テラスへ

DV被害者は法テラスで優先的・無料で相談できます。収入基準を満たせば、弁護士費用を立て替えてもらい月々返済できる「民事法律扶助制度」があります。利息はかかりません。
電話(0570-078374)一本で相談を始めることができます。「お金がないから弁護士に頼めない」とあきらめないでください。
参考:法テラス|民事法律扶助業務

まとめ:準備リスト総まとめ+今日の最初の一手

フェーズごとの優先事項をコンパクトにまとめます。「今日から始める一手」を確認してください。

フェーズ最優先でやること
切り出す前①証拠収集 ②財産リストアップ・コピー ③自分名義の預金確保
協議中①親権の決定 ②養育費の公正証書化 ③財産分与の合意
離婚直後①児童扶養手当の申請(翌日でも可) ②医療費助成・就学援助の申請 ③住所変更手続き
2年以内年金分割の申請(忘れると権利消滅)
年末調整・確定申告時ひとり親控除の申告
DV・モラハラがある場合まず配偶者暴力相談支援センターへ(#8008)

今日からできる最初の一手は「法テラス(0570-078374)または配偶者暴力相談支援センター(#8008)に電話して相談の予約を入れること」です。一人で抱え込まずに、まず相談から始めてください。

※本記事の情報は2026年時点のものです。制度・金額・法律の内容は改定される場合があります。個別の事情については必ず弁護士・法テラス・各公的機関にご確認ください。

参考・出典

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