共同親権のデメリット7つを解説|シングルマザーが知っておくべきリスクと対処法【2026年4月施行】

「共同親権のデメリットを正直に教えてほしい」——その疑問に真っ向から答えます。2026年4月に施行された改正民法による共同親権制度には、特にシングルマザーにとって見過ごせないリスクがあります。

この記事では、メリットとデメリットを並列に並べた記事ではなく、シングルマザー目線でデメリットを深掘りします。ただし「共同親権=絶対悪」という結論ではなく、自分の状況に合った判断ができるよう、正確な情報を整理しました。

目次

共同親権のデメリット:シングルマザーが特に注意すべき7つのリスク

共同親権制度の問題点を、シングルマザーの実生活への影響という視点から7つ整理します。

デメリット①:元夫との連絡・協議が継続的に必要になる

共同親権が適用された場合、子どもの転居・進学先の決定・重要な医療行為(手術など)については元夫の同意が必要になります。「離婚して縁を切りたかった相手と、子どもが成人するまで連絡を取り続けなければならない」という現実が生まれます。

特に連絡を断って生活を立て直してきたシングルマザーにとって、この影響は大きいです。元夫が返事をしない・連絡が取れないという状況になると、子どもの重要な決定が止まってしまうリスクもあります。

ただし日常的な行為(食事・服装・軽微な医療行為など)は単独で決定できます。すべてに同意が必要なわけではありません。

デメリット②:DVやモラハラが続くリスクがある

共同親権が適用されると、定期的に元夫と連絡・協議する機会が生まれます。DVやモラハラが離婚理由の方にとって、これは深刻なリスクです。

法律上、DVや虐待のおそれがある場合は裁判所が単独親権を定めると規定されています(改正民法第819条第7項)。しかし「DVの事実を証明できるか」という問題があります。証拠が乏しい場合、主張が認められないリスクがあります。裁判所が「DVのおそれがある」と認定するためには、具体的な証拠の整理が重要です。

DVやモラハラがある場合は、証拠(受診記録・メッセージ・相談機関への相談記録)を今のうちから整理・保管してください。証拠があれば法律上の保護を受けやすくなります。

デメリット③:意見が対立すると子どもの重要事項が決まらなくなる

共同親権の最大の問題のひとつが「元夫と意見が合わない場合、子どもに関する重要な決定が止まってしまう」ことです。転居・進学先・重要な医療行為などで意見が対立した場合、家庭裁判所に申し立てるしかありません。

その手続きには時間がかかります。進学の時期に元夫と合意できない場合、子どもの進路に影響が出るリスクがあります。緊急の医療行為については単独で決定できる例外規定がありますが、「緊急かどうかの判断」が難しいケースも生じます。

デメリット④:高校無償化の所得判定に影響する可能性がある

共同親権の場合、高校無償化(高等学校等就学支援金)の所得判定が「父母の収入の合算」で行われる可能性が指摘されています。元夫の収入が高い場合、これまで受給できていた支援が受けられなくなるリスクがあります。

重要:この点は2026年時点でまだ詳細が確定していない部分があります。ただし、DVなどの事情により元夫に収入情報を求めることが困難な場合の除外規定が設けられる方向で検討されています。最新の文部科学省・こども家庭庁の情報を確認してください。

デメリット⑤:再婚・引越しに元夫の同意が必要になるケースがある

共同親権が適用された場合、遠方への引越し(転居)や再婚相手との養子縁組には、元夫の同意または家庭裁判所の許可が必要になる可能性があります。「自分の人生の重要な決定に、離婚した相手が関与してくる」という問題です。

ただし、近距離の引越しや日常的な転居については単独で判断できる場合があります。具体的な状況によって異なるため、不明点は弁護士に確認することをおすすめします。

デメリット⑥:精神的負担・連絡コストが増加する

元夫との連絡・協議が継続することによる精神的な疲弊は、数字には表れないデメリットです。特に関係が悪化して離婚したケースでは、元夫への連絡ひとつが大きなストレスになります。

離婚後に仕事・子育て・生活の再建を進めてきた中で「また元夫と関わらなければならない」という負担は、長期的な精神的健康にも影響を及ぼします。このコストは見えにくいですが、現実的かつ重大なデメリットです。

デメリット⑦:申し立てが増加し家庭裁判所が混雑する

2026年4月以降、共同親権を求める申し立てや親権に関連した手続きが急増することが予想されます。家庭裁判所の処理能力には限界があるため、手続きに数か月以上かかるケースが増える可能性があります。

急ぎで対応が必要な場面でも、裁判所の手続きに時間がかかることで子どもの生活に影響が出るリスクがあります。

シングルマザーにとっての共同親権のメリット

デメリットに特化した記事ですが、メリットも正直にお伝えします。ただし後述するように、メリットが活きるケースは限定的です。

メリット①:養育費の未払いが減る可能性がある

共同親権により、元夫の「親としての責任感」が高まり、養育費の未払いが減少するという期待があります。また2026年4月の法改正では「法定養育費制度」が新設されました。養育費の取り決めがない場合でも、法律上の標準的な養育費(月額2万円)が認められる仕組みです。

ただしこれは「共同親権に限ったメリット」ではなく、単独親権でも法定養育費制度は利用できます。

メリット②:子育ての負担を分担できる可能性がある

元夫との関係が良好な場合、育児の分担ができ経済的・精神的負担が軽減する可能性があります。面会交流が定期的に行われており、元夫も積極的に子育てに関わりたいと考えているケースでは、共同親権がプラスに働く場合があります。

ただし「メリットが活きるケース」は限定的

共同親権のメリットが活きるのは、以下の条件がすべて揃っている場合に限られます。

  • 元夫との関係が良好で、連絡・協議を負担なく行える
  • DVやモラハラが離婚理由ではない
  • 継続的な面会交流が既に行われている
  • 子どもの重要な決定について双方の意見が概ね一致する

この条件が揃っているシングルマザーは、実際には少数派です。多くのシングルマザーにとっては、デメリットの方が大きいというのが正直な見解です。

共同親権は拒否できる?反対したい場合の対処法

共同親権を一方的に強制されることはありません。離婚時の手続きでは、協議離婚・調停離婚・裁判離婚のいずれの場合も、単独親権か共同親権かの決定に関して、あなたには意見を述べる機会があります。

また既に離婚して単独親権が定まっている場合、元夫が共同親権への変更を求めるには家庭裁判所への申し立てが必要であり、裁判所が「子の利益」を基準に判断します。

拒否できるケース

以下のような事情がある場合、共同親権を拒否しやすいです。

事情拒否のしやすさ根拠
DVやモラハラがある確実に拒否できる改正民法第819条第7項で単独親権が義務付けられる
長期間面会交流がなく関係が希薄拒否しやすい子の利益に反するとして認められにくい
子どもが現在の環境に安定している拒否しやすい現状変更の必要性が低いと判断される
元夫と連絡が取れない状態が続いている拒否しやすい協力関係が成立しないと判断される

今からやるべき準備

  • ① DVやモラハラの証拠を整理・保管する(受診記録・メッセージ・相談記録・写真)
  • ② 自分が主たる養育者であることを示す記録を保管する(保育園・学校の連絡帳・健診記録など)
  • ③ 弁護士または法テラスに相談して、自分の状況に合ったアドバイスをもらう
  • ④ 配偶者暴力相談支援センターに相談を記録として残しておく

共同親権による児童扶養手当・各種支援制度への影響は?

「共同親権になると手当がもらえなくなるのでは?」という不安を持っている方が多いです。各制度への影響を公式情報をもとに整理します。

児童扶養手当への影響:なし

こども家庭庁の公式情報によると、共同親権になっても児童扶養手当の受給には影響しません。手当の受給要件は「親権の形態」ではなく「子どもを実際に養育している実態があるかどうか」で判断されます。

実際に子どもを育てているシングルマザーが手当を受け取ることに変わりはありません。
参考:こども家庭庁|民法等改正について

保育料への影響:なし

保育の必要性の判断は、共同親権か単独親権かに関わらず変わりません。保育料の算定基準も変更されません。共同親権になったことで保育料が上がるということはありません。

高校無償化への影響:要注意(条件によって異なる)

共同親権の場合、高校無償化(就学支援金)の所得判定について父母の収入が合算される可能性が指摘されています。元夫の収入が高い場合、支給額が減額または受給できなくなるリスクがあります。

この点は2026年時点でまだ詳細が確定していない部分があります。DVなどにより元夫に収入情報を求めることが困難な場合の除外規定が検討されています。最新情報は文部科学省・こども家庭庁の公式サイトで確認してください。

扶養控除への影響:なし

親権の有無は扶養控除の要件ではありません。「生計を一にしている子どもを養育している」という事実が扶養控除の判断基準であり、共同親権か単独親権かは関係ありません。

制度共同親権になった場合の影響備考
児童扶養手当影響なし養育実態で判断(こども家庭庁公式)
保育料影響なし保育の必要性は変わらない
高校無償化要注意(元夫収入が加算される可能性)DV等の場合は除外規定あり。詳細未確定
扶養控除影響なし親権は扶養控除の要件ではない
児童手当影響なし養育実態で判断

「共同親権=悪」ではない:冷静に判断するために

デメリットを中心に解説してきましたが、「共同親権は絶対に悪い制度だ」という結論ではありません。個別の状況によって判断が変わります。

共同親権が向いているケース・向いていないケース

状況向いているか理由
元夫との関係が良好で協力できる向いている子育てのサポートを受けやすくなる
DVやモラハラがあった向いていない継続的な接触がリスクになる
元夫と長年連絡が取れない向いていない協力関係が成立しない
元夫の収入が高く高校無償化に影響する向いていない経済的なデメリットが生じる可能性
面会交流が既に定期的に行われている向いている可能性あり現状の延長として機能する場合も

「今すぐ動くべきかどうか」の判断基準

今すぐ何か行動する必要があるかどうかは、以下の判断基準で考えましょう。

判断基準:
・既に離婚して単独親権が定まっている場合→何もしなければ単独親権が継続。急いで動く必要はない
・これから離婚を考えている場合→手続き中に共同親権か単独親権かを選ぶ機会がある。弁護士に相談を
・元夫から共同親権の申し立てをされた場合→弁護士に相談して対応を検討する

共同親権が向いている人・向いていない人

向いているケース

  • 元夫との関係が穏やかで、連絡や協議を負担なく行える
  • DVやモラハラが離婚理由ではなく、子どもとの面会交流が定期的に行われている
  • 子育てを分担することで、経済的・時間的な余裕が生まれることを期待している
  • 元夫も積極的に子育てに関わりたいと考えており、協力姿勢がある

向いていないケース

  • DVやモラハラが離婚理由(法律上の保護はあるが、証拠の整理が必要)
  • 元夫と長期間連絡を断って生活している
  • 元夫との連絡・協議が精神的なストレスになる
  • 元夫の収入が高く、高校無償化の所得判定に影響する可能性がある
  • 子どもの転居・進学などの重要決定で元夫と意見が合わない

判断基準

「共同親権にすべきか、単独親権を維持すべきか」の判断は、個人の状況によって大きく異なります。一般論ではなく、自分の状況に即したアドバイスを得るには弁護士への相談が最も確実です。法テラスを利用すれば、収入が一定以下の場合は無料で法律相談ができます。

運営者が感じた共同親権への本音【シングルマザー5年目の視点】

元夫との連絡が必要になるということの重さ

5年前にコロナ禍の中で離婚した私が、今の共同親権制度の議論を見て思うことがあります。面会交流も養育費もある関係であっても、「子どもの進路・転居・医療のたびに元夫の同意が必要になる」という状況は、これまでの関係とは異なる緊張を生む可能性があります。元夫との関係が比較的良好な場合でも、重要な決定で意見が合わない場面が出てきたとき、初めてその問題が表面化することがあります。

元夫との関係は人によって様々です。面会・養育費がある程度うまくいっているケースもあれば、最低限の連絡だけというケースもあります。どちらの場合でも、「これまでの取り決めに加えて、重要な決定のたびに協議が必要になる」という変化は、生活のリズムに影響を与えます。

私自身が離婚を経験した立場から言えることは「正確な情報を持っていることが、不安を減らす最大の武器になる」ということです。共同親権について不安に感じたとき、SNSや断片的なニュースで判断するのではなく、公式の情報をもとに「自分のケースではどうなるか」を把握することが大切です。

それでも「正確な情報」を持つことが最大の武器

一部のSNSでは「共同親権になると全部元夫の同意が必要になる」「手当がもらえなくなる」など、誤った情報が広まっています。これらの誤情報に振り回されて必要以上に不安になる必要はありません。

正確な情報の確認先として、こども家庭庁の公式Q&A・法務省の改正民法情報・ひとり親サポートポータルをおすすめします。それでも不安が解消されない場合や、具体的な対応が必要な場合は弁護士に相談してください。

まとめ:まず「自分は動かなくていい」ことを確認しよう

共同親権のデメリットを7つ解説しましたが、最後に最も重要なメッセージをお伝えします。

最重要ポイント:
① 既に離婚して単独親権が定まっている場合、何もしなければ単独親権が継続する
② DVやモラハラがある場合は法律上の保護がある(証拠の整理が重要)
③ 児童扶養手当・保育料・扶養控除への影響はない
④ 高校無償化は要注意(元夫収入の合算の可能性。DV等は除外規定あり)
⑤ 不安な場合は弁護士・法テラスに相談する

共同親権というニュースに不安を感じているシングルマザーへ伝えたいことは「まず自分の状況を正確に把握してから動く」ことです。誤った情報に振り回されず、公式情報と専門家のアドバイスをもとに判断しましょう。

※本記事の情報は2026年時点のものです。制度・金額・支援内容は改定される場合があります。最新情報は各公的機関の公式サイトまたはお住まいの市区町村窓口でご確認ください。
※本記事は法律の一般的な解説を目的としたものであり、個別の法律相談の代替となるものではありません。具体的なご事情については弁護士または法テラスにご相談ください。

参考・出典

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