離婚後に国からもらえるお金は何がある?使える手当・給付金を一覧で解説

実際には「離婚補助金」という名称の制度は存在しません。ただし目的別に複数の支援制度を組み合わせることで、毎月数万円〜十数万円の支援を受けられます。制度を知らずに申請していない方が多く、申請しなければゼロです。

この記事では「別居中→離婚直後→離婚後→2年以内」という時系列で整理します。申請した月の翌月から受給できる制度が多く、1か月遅れると1か月分を損します。今すぐ確認してください。

目次

【時系列①】別居中からもらえるお金:離婚前でも使える婚姻費用と公的制度

離婚が成立する前・別居中からでも使える制度があります。離婚を検討中の段階から動き始めてください。

婚姻費用:別居中は相手から生活費を請求できる

別居中は婚姻関係が継続しているため、収入の多い配偶者に婚姻費用(生活費+子どもの養育費相当額)を請求できます。婚姻費用は「請求した月からしか遡れない」ため、別居したらすぐに請求することが最重要です。

相手が払わない場合は「婚姻費用分担調停」を家庭裁判所に申し立てられます。費用は数千円で、弁護士なしでも申し立てできます。調停で決まった婚姻費用は強制執行が可能です。

別居中に使える公的制度:児童手当の受給者変更

別居して子どもを監護している場合、児童手当の受給者を夫から自分に変更できます。調停係属中の場合は継続証明書等で変更できる市区町村が多いです。放置すると夫に支給され続けるため、早急に手続きを行ってください。

申請先は市区町村の窓口です。「別居して子どもを監護しているが、夫名義に児童手当が支給されているため変更したい」と伝えれば手続きの案内をもらえます。

【時系列②】離婚直後にもらえるお金:1か月遅れると損をする最優先の申請

離婚が成立した日から最優先で動くべき制度があります。申請した月の翌月から受給開始のため、1か月遅れると1か月分を損します。

離婚直後は何から動けばいいかわからない混乱状態になります。実際に経験してわかったことは「市区町村の子育て支援窓口に電話する一本が最も効率的」ということです。「離婚したばかりで、使える制度を全部教えてほしい」と伝えれば一度でまとめて案内してもらえます。

【最優先】児童扶養手当:離婚直後に申請・翌月から受給開始

児童扶養手当はひとり親家庭の生活安定を目的とした給付金です。申請した月の翌月から支給開始で、申請が遅れると受給できない期間が生じます。今すぐ申請してください。

支給区分所得の目安(扶養親族1人・子1人の場合)月額(子1人の場合)
全部支給所得107万円以下月48,050円(2026年度)
一部支給所得107万円超〜391万円未満所得に応じて段階的に減額
支給停止所得391万円以上支給なし

申請先は市区町村の子育て支援窓口です。離婚届受理証明書・戸籍謄本・通帳などが必要です。必要書類は窓口に問い合わせると教えてもらえます。
参考:こども家庭庁|ひとり親家庭等関係(児童扶養手当)

【最優先】ひとり親医療費助成:申請すれば医療費の自己負担が大幅に減る

ひとり親家庭等医療費助成制度は18歳年度末まで(または20歳未満)の子どもとその保護者の医療費を自治体が助成する制度です。自治体によって助成の範囲・上限額が異なります。
こちらも申請しなければもらえません。離婚直後に児童扶養手当と同時に申請するのが最も効率的です。「医療費助成も一緒に申請したい」と窓口で伝えてください。

児童手当:名義変更の確認・3歳未満は月15,000円

児童手当は0〜18歳年度末まで(高校生年代)が対象で、3歳未満は月15,000円・3歳〜中学生は月10,000円(所得制限なし・2024年10月改正後)が支給されます。離婚前に夫が受給者になっている場合は速やかに変更手続きが必要です。

変更には婚姻関係終了の証明(離婚届受理証明書等)が必要です。放置すると引き続き元夫に支給されます。

住民税・国民健康保険料・国民年金の減免申請

離婚後に収入が減少した場合、以下の3つの減免申請ができます。「窓口で『離婚してひとり親になった・減免を受けられるか』と伝えるだけで案内してもらえます。

制度内容申請先
住民税ひとり親控除を年末調整・確定申告で申告することで負担を下げられる勤務先または税務署
国民健康保険料低所得者向けに7割・5割・2割軽減の申請が可能市区町村の国保窓口
国民年金保険料所得が一定以下なら全額〜一部免除の申請が可能(ただし老後の年金が減る点に注意)市区町村の年金窓口

【時系列③】離婚後に使えるお金:生活費・住まい・子どもの教育費の支援

離婚直後だけでなく継続して使える・または時期に合わせて申請する支援制度を「生活費・住まい・教育」の3軸で整理します。

就学援助:給食費・学用品費を学校経由で補助

就学援助は小・中学生対象で給食費・学用品費・修学旅行費等を補助します。収入が下がった場合は離婚後すぐに申請できます。年度途中からでも対応する自治体が多いです。申請先は在籍する小中学校または市区町村の教育委員会です。

ひとり親控除:年末調整・確定申告で申告するだけで毎年節税

ひとり親控除(所得税35万円・住民税30万円の控除)を申告するだけで税負担が下がります。申告しないと毎年損をしています。会社員は年末調整で申告できます。フリーランス・自営業は確定申告で申告します。

ひとり親控除を申告することで住民税非課税世帯になりやすくなり、保育料無償・国民健康保険料軽減という連動効果も生まれます。

公営住宅の優先入居:低家賃で入居できる可能性がある

公営住宅はひとり親世帯向けの優先枠(抽選倍率の優遇・優先入居制度)があります。民間賃貸より家賃が大幅に低いです。ただし募集時期が限られており、申し込みを逃すと次の機会まで待つ必要があります。早めに自治体の住宅担当課に問い合わせてください。

保育料の減免:離婚後に収入が下がると対象になる可能性

3〜5歳はすでに全員無償です。0〜2歳は住民税非課税世帯なら無償になります。離婚によって収入が下がり住民税非課税世帯になった場合は、0〜2歳の保育料が無償になる可能性があります。在籍している保育園または市区町村に確認してください。

離婚後の就労・自立支援でもらえるお金:スキルアップしながら給付が受けられる制度

「給付型(返済不要)」の就労支援制度を知らずに、自費でスキルアップしているシングルマザーが多いです。以下を確認してください。

高等職業訓練促進給付金:勉強しながら月10万円もらえる

ひとり親家庭の親が看護師・介護福祉士・保育士・ITスキル等の資格取得のために養成機関で学ぶ場合、修業期間中に月10万円(住民税非課税世帯)または月70,500円が給付されます。返済不要で最長4年間受け取れます。

「勉強しながらお金をもらえる」という制度です。資格取得後は収入が大幅に上がる可能性があります。申請先は市区町村のひとり親支援担当窓口です。
参考:こども家庭庁|高等職業訓練促進給付金

自立支援教育訓練給付金:受講費の60%が戻ってくる

ひとり親家庭の親が雇用保険法の教育訓練給付金の指定講座を修了した場合に、受講費の60%(上限20万円・専門実践教育訓練の場合は最大160万円)が支給されます。事前に市区町村に相談し、適職に就くために必要と認定される必要があります。

母子家庭等就業・自立支援センター:就業相談・求人紹介が無料

都道府県・政令市が運営する母子家庭等就業・自立支援センターでは、就業相談員による個別相談・求人情報の提供・能力開発セミナー・養育費の相談まで無料で利用できます。ハローワークよりも子育て中のひとり親に特化したサポートを受けられます。お住まいの都道府県のセンターに問い合わせてください。

離婚後の最終手段:生活保護と無利子の貸付制度

給付型支援だけでは生活が成り立たない場合の最終手段を整理します。生活保護は恥ずかしいものではなく、最後のセーフティネットです。

生活保護:最低生活費と収入の差額が支給される最後の砦

生活保護は収入が最低生活費を下回る場合に差額が支給される制度です。返済不要です。シングルマザーで働けない・収入が極めて少ない場合は申請する権利があります。

申請を拒否する「水際対策」は違法です。窓口で「申請したい」と明確に伝えることが重要です。追い返されても申請書を受け取る権利があります。困った場合は法テラス(0570-078374)に相談してください。

母子父子寡婦福祉資金:返済義務あり・無利子で借りられる貸付

母子父子寡婦福祉資金は修学資金・生活資金・転宅資金等12種類の貸付制度があります。無利子・返済期間最長20年です。給付型支援(児童扶養手当・医療費助成等)を先に最大限活用し、それでも不足する場合の選択肢です。返済義務があることを理解した上で利用してください。
参考:こども家庭庁|ひとり親家庭等関係

離婚後に期限がある手続き:見落とすと損をする重要な申請

時間が経ってから気づいたら手遅れになる制度があります。期限を過ぎると取り返しのつかない損失になります。

年金分割:離婚後2年以内に年金事務所に申請

年金分割は婚姻期間中の厚生年金記録を元配偶者と分割できる制度です。申請期限は「離婚後2年以内」です。忘れると老後の受給額に影響し、期限を過ぎると取り返しがつきません。

種類内容申請先
3号分割第3号被保険者期間(主に専業主婦期間)の年金記録を自動的に2分の1に分割。相手の合意不要年金事務所
合意分割婚姻期間全体の厚生年金記録を合意した割合で分割(最大2分の1)。相手の合意が必要年金事務所

「年金分割のために情報提供を請求したい」と年金事務所に伝えれば手続きの流れを教えてもらえます。
参考:日本年金機構|離婚時の年金分割

財産分与:2026年法改正で離婚後5年以内に請求可能

財産分与の請求期限は2026年法改正により離婚後2年から5年に延長されました。離婚協議で財産分与を決めずに急いで離婚届を出した場合でも、5年以内なら請求できます。

財産分与の対象は預貯金・不動産・退職金・年金などで、原則50%を受け取れます。今すぐ動けなくても、期限内に法テラス(0570-078374)に相談することをおすすめします。

まとめ:離婚後にもらえるお金は申請しないとゼロ。まず市区町村の窓口に電話する

申請しなければゼロです。一本の電話から全部動けます。「離婚したばかりで使える制度を全部教えてほしい」と市区町村の子育て支援窓口に電話するだけで案内してもらえます。

✅ 時系列別チェックリスト
□ 【別居中】婚姻費用の請求を別居直後に行う
□ 【別居中】児童手当の受給者変更手続きを市区町村窓口で行う
□ 【離婚直後】児童扶養手当を市区町村の子育て支援窓口に申請する
□ 【離婚直後】ひとり親医療費助成を同時に申請する
□ 【離婚直後】児童手当の名義変更を確認する
□ 【離婚直後】国民健康保険料・国民年金の減免を申請する
□ 【離婚後随時】ひとり親控除を年末調整・確定申告で申告する
□ 【離婚後随時】就学援助を学校または教育委員会に申請する
□ 【離婚後随時】高等職業訓練促進給付金・自立支援教育訓練給付金を確認する
□ 【2年以内】年金分割を年金事務所に申請する
□ 【5年以内】財産分与が未決定の場合は法テラスに相談する

※本記事の情報は2026年時点のものです。制度・金額・支援内容は改定される場合があります。最新情報は各公的機関の公式サイトまたはお住まいの市区町村窓口でご確認ください。

参考・出典

あわせて読みたい

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次